辻内 正誠 

吉野町議会議員 辻内正誠(つじうち まさなり)のブログ

スマイルバス体験まとめ

6月29日 スマイルバス体験のまとめです。 

スマイルバスは、6月9日から4日間をかけて5路線を全て体験してきました。 途中、議会がありましたので、少し時間を要しました。また、1日で全てのコースを体験する計画(時間表)は作りましたが、丸1日空く日が少し先になってしまいますので、先ずはまとめを投稿したいと思います。

 

①乗客数が想像していたより少ない

 色々な吉野町の資料を見ると、人口1人当り年間3回利用(年間延べ利用者

 約21000人)を目安としているようですが、その目安をクリアーしているのかどうか

 心配になります。

            この目安、一日約50便が吉野町で運行されていますので、正月を除くと、

   21000人/50便/360日=1.2人 となります。

   つまり、各便 1人以上の乗客がおられればこの目安を超えます。

   この少ない目安も??ですが、その目安さえ到達するのかどうかが心配な

   状況です。

 

 卵が先か?鶏が先か?の議論になりますが、便が少ないので利用しない。利用者が

 少ないので、便が減る。という悪循環になっていないか?注視が必要です。

➁スマイルバス(ハイエースでも)の大きさゆえ、行けない地域がある

 ゼンリンの地図にスマイルバスの停留所を中心として、半径200mの円を書きまし

 た。直線で、半径200mですから実際歩くと300m程度になってくると思います。

 地図ですので、道路の高低は配慮していませんのでお年寄りの足なら更に大変な地域

 もあると思います。

 200mの半径を外れて、且つハイエースでも通行が困難な代表的な地域(私が自動車

 で走った感じ)は、

 香束(県道沿い以外)、山口(嶽側沿い上流北側)、志賀(県道沿い以外)、左曽

 (左曽川上流全域)、六田(奥六田川上流)、御園(県道沿いより上の方)、吉野山

 (花夢花夢から上)です。他にも、各村の端に行けばほとんどが同じ状況です。

 これらの地域では、いくらスマイルバスを充実させてもバス自体が行くことができま

 せん。歩くことが大変になり、且つ自動車の運転が出来なければ、交通難民となって

 きます。スマイルバス以外のアイデアが必ず必要になってきます。

    *私は、自家用有償旅客運送が有効だと思っています。

     但し、国の許可が必要で、且つ許可を得るために超えないといけないハード

     ルが色々あります。また、おそらく現行のスマイルバスとの共存は難しい

     と思います。色々な課題はありますが、大半が 空で 走っているスマイル

     バスより、融通が利いて便利になると思っています。

  これから、既に導入している自治体の例を勉強して長期の政策に提案していきたい

  と思います。

 

③スマイルバスの運転場所延長で大きく助かる地域

 (あくまでも、スマイルバスを必要としている方がおられる前提です)

  入野(国道より下って、津風呂湖畔沿)、小名の上流(通称北谷地区)、

  別所上流、左曽川上流(新しい道路ならスマイルバスは走れる)、千股川上流。

  ①に書いたように、乗車が非常に少ない状況ですが、スマイルバスが必要な方が

  おられるなら、少しの延長で対応できるのですから対応すべきと考えます。町民の

  声を機会があるごとに集め、行政に要望していきます。

 

④スマイルバス、通学バスの 回送(空で車庫等へ行く)を有効活用できないか?

 三茶屋~吉野北間に一便、回送があります。また、通学、通園バスは、朝の通学

 の後、大半が回送で、大淀バスセンターへ行っているようです。

 (詳細確認必要です--->追って行います)

 大淀バスセンターに行くなら、大淀町にある、コメリキリン堂、ヨシスト、ライ

 フ等へ行くことが可能では? と思ってきます。但し、帰る便をどうするのかの

 アイデアが必要です。

    *上市駅付近の方は、電車があるので越部駅まで電車で行ってそこから歩く方

     もおられるようです。これよりは、楽でしょう!

 また、多くの人が上市のヨシストの代わりにライフを使う様になれば、上市のヨシ

 ストのお客様が減ることになり、経営者は上市ヨシストの存在を考えるかも知れませ

 ん。移動が便利になれば、近くの店は無くなっていきます。日本中で同じことが

 起こっています。

 

⑤まとめ

 過去色々な変遷を経て、今のスマイルバスが運行されています。スマイルバスの運行に年間約 5000万円強、学校と園用のバス運行に 4000万円強。合わせて年間約1億円が使われています。今の人口を約7000人とすると、一人当たり、約15000円を使っていることになります。なくてはならないものです。が、一方で、便が少ない。そもそも、近くを通っていないので使えない。などの課題もたくさんあります。

 また、町は、現状の病院と電車への乗降に主眼を置いた路線と時刻に加え、津風呂湖や宮滝、国栖への観光者への利便性にも目を向けています。かかるコストと効果をよく見極めないといけないと思います。

 町民から交通難民(病院や買い物に行けない人)は無くさないといけません。

そのためには、

ア)現行のスマイルバスの更なる利便性の向上

イ)今のスマイルバスとは全く違った手段の導入(前述の自家用有償旅客運送)

 

 先ずは、ア)を進め、並行してイ)の検討を始めることが大切だと思います。今、吉野町の平均年齢は65歳です。恐らく、10年後には、75歳前後です。団塊世代の方が90歳前後になり免許を返納される方も多くなります。待ったなしで、町に新しい取り組みをスタートしてもらえるように、プッシュしていきます。

   *下手をすると、住民を忘れて観光客に重点をおいたような検討になります。

    また、検討が従来の延長で、スマイルバスありき(新しい取り組みへの移行が

    無い)の検討のみになります。

 議員として、町民の声を行政に伝えるとともに、自分でも勉強していき行政と共により良いアイデアを創っていきたいと思います。

 

以上です。