辻内 正誠 

吉野町議会議員 辻内正誠(つじうち まさなり)のブログ

勉強:地方は消滅するのか?生き残るのか?

11月16日

 この1ヶ月で、下の写真の4冊の本を読みました。

 事の起こりは、地方消滅という本(元岩手県知事の増田さんが書かれたもの)が

あって(2014年出版)2040年には、全国1769の自治体(市町村)の内、896市町村が

消滅の危機にあるとの見出し。その中には、当然吉野町も言っています。2010年から

2040年の間の人口減少率は奈良県では、1番が川上村。2番が吉野町 との計算です。

   *おそらくこの減少率は当たっているでしょう。

 一方で、地方は消滅しない。生き残る調の本も出ています。

いづれも、前述の増田さんの理論や考え方を非難?する口調で書かれており、増田さん

の本が出版された直ぐ後の2014年に書かれたものです。

 両方の考え方を読んだ上で、私自身の結論は地方は消滅しません。つまり吉野町

消滅しません。あるいは消滅させてはいけないのです。これが私の結論です。

 人口は、絶対に減ります。しかし、消滅することはありません。どこかに底がありま

す。

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片方の理論だけを読むと思考が間違ってくるにでは?

以下は、私が勉強した結果からの私の持論です。チョット長くなりますが。

1.平成の自治体統合はおそらく田舎の人口減少を加速させたでしょう。

  五条市と一緒になった 旧西吉野村の人口減少を見ればわかると思います。

  日本中で、同じようなことが起こっているはずです。

  よって、市町村合併はそう簡単にしてはならないのです。自治体の自治とは実は、

  小さい方がより住民に寄り添った自治ができるのです。

2.田舎は強い

  私は、18年前に門真のマンションに住んでいました。250世帯 約700人が住んで

  いるマンションです。仮に、吉野町のように環境衛生デーを設置したとします。

  草刈りをしているのは、市役所に雇われた業者の方です。住民は、ゴミ拾いぐらい

  です。吉野町では、どうでしょう。草刈り機がどこからともなく現れます。軽トラ

  ックが集まります。スコップ、クワ。場合によってはチェーンソーも。これって、

  村単位の自治ができているのです。門真市のように草刈業者を雇う必要はないので

  す。

  大きな災害が起きた場合を想定してみましょう。大都会では、被災された住民は

  避難所で避難する側になります。でも吉野町ならどうなっていくでしょう?

  (そんな災害がないことを祈りますが) 最初避難した人々も、自分で動き始めま

  す。どこからか、大きな鍋が現れ、薪が現れ、炊き出しが自分たちの力で始まりま

  す。大きな被害を受けた家の片付けを近所の人が手伝い始めます。これも凄い事で

  す。

  そうなんです。田舎には、都会に無い力強さがあるのです。

3.田舎生活に魅力を感じている人は多い

  田舎で生まれ育った人の多くは都会へ出ていきます。それは、大学入学時と

  就職時が、その機会になっています。 私自身もそうでしたし、私の子供も

  そうです。私自身は、40歳でUターンしてきました。

  全国的に見ると、田舎から都会(特に東京圏)への人口移動は非常に大きな

  数字です。しかし、その逆もゼロではなにです。都会とは違う、田舎の生活

  にあこがれる人も一定数絶対におられます。

  事実、吉野町にもこの4年間で80人の方が移住してきてくださっています。

     *非常に驚くべき数字です。

  吉野町は、丁度良い田舎度だと思っています。自動車で1時間チョットで梅田

  までいける田舎なのです。ちょっと不便ですが、信じられないぐらい不便でも

  ない田舎です。

4.吉野町が消滅しないために

  地域が消滅する一番のきっかけは、大災害です。(例えば、福島の原発事故)

  次は、そこに暮らす人全員がそこでの生活をあきらめることです。吉野町で言えば

  約50の自治会があります。その地区/地区に住む人が全員その地区での生活を

  あきらめたらその地区はなくなります。しかし、いまのところそのような地区は

  ありません。人口は減っています。が、そこに住む人は、昔からの伝統や習慣を

  守りながら、一方で人口減に対応する形でその地区に住んでいるのです。

  これこそが最小単位の自治だと思います。

  行政(吉野町役場)は、その地区での生活を全住民があきらめるような状態を

  作らないことが大切です。それは、交通であったり、医療であったり。逆に言うと

  もうここでは生活していけんわ! という声を作ってはいけないのです。

5.最後に私の決意

  大きな話をすると、国の政策そのものが吉野町を消滅に導く可能性があります。

    *前述の、平成の大合併のような政策。

    *吉野町の歴史や文化を忘れたような箱もの政策によりお金で吉野町

     買うような政策。 お金はあれば嬉しですが、何も無くなる吉野町

     お金があっても仕方なくなります。

  ま、こんな話は無いでしょうが、議員として注視していかないといけないことで

  す。

    逆に小さなコツコツとしたことも大切です。住民の皆様の声を常に拾い行政に

  届け施策に反映する。「もう、こんな吉野町には住みたくない」という人を

  出さない。「吉野町は、チョット不便だけど、住みやすいところやな~」

  「この地区に住み続けたいな~」という吉野町にしないといけない。

  ということで、4冊読んで、私のたどり着いた結論は、普段から私の考えて

  いたこととほぼ同じでした。

    *吉野町は消滅しません。そのためには、吉野町にある各自治会を消滅させて

     はいけないのです。そうなるように行政は動かないといけないのです。

     そして、そうなるように議員である私は仕事をしないといけないのです。

  

以上です。